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グリーンカードなしで市民権が取れる? MAVNIプログラムとは?

MAVNIプログラムとは、正式名称を「国益 必須要員(Military Accessions Vital to National Interest)」といいます。名前から想像できる通り、軍が必要とするスキルを持った国益に不可欠な外国籍の人材を軍が受け入れるためのプログラムであり、一定期間の軍務を全うすることが必要ですが、短期間で米市民権が取得できる特別なプログラムです。このプログラムの歴史は浅く、2008年に1年間限定の国防省のパイロット・プログラムとして認可され、2009年12月末までの期間、および上限1,000人のキャップ付きでスタートしました。
その後、2012年5月16日に上限1,500人の キャップ付きで再びスタートされました。そして2014年9月25日に、MAVNIプログラムの2016年会計年度末までの延長が正式決定されました。現在の上限キャップは年3,000人ですが、今年10月1日(2016年会計年度のスタート日)より年5,000人に引き上げられます。

一般的な募集要件は:
•難民・亡命者・一時的被保護資格(Temporary Protected Status)、またはDACA資格(Deferred Action for Childhood Arrivals)を保持するものもしくは
• E、F、H、I、J、K、L、M、O、P、Q、R、S、T、TC、TD、TN、U、Vの非移民ビザを持つ者
そして
•入隊前の2年間、上記のどれかの資格で合法的に米国に滞在していて、90日以上の米国外滞在がないこと(DACA資格者以外)
かつ
•高卒の資格およびAQFT (Armed Forces Qualification Test)での必要なスコアです。
さらに、現在このプログラムで必要とされるスキルは医療関係のスキルと言語・カルチャーのスキルとなっています。
医療関係では、総合歯科医、口腔外科医、予防医学、麻酔科医、小児科医、精神科医、内科医、家庭医、一般外科医、救急医、核医学科学オフィサー、昆虫学者、精神科ナースプラクティショナー、看護麻酔医の資格が現役勤務として必要とされています。予備役の場合は、これらと重複するスキルもありますが、若干違うスキルが必要とされています。医療関係の場合は、現役勤務では3年間、予備役勤務では6年間の任務に就く必要があります。
今まで言語・カルチャーのスキルに日本語は入っていませんでしたが、5月20日付けのUSAREC (US Army Recruiting Command)からのアップデートでは、日本語が今回新たにMAVNIプログラムの募集言語となったようです。ただし現時点では、軍の正式サイト上に日本語はまだ掲載されていません。言語・カルチャーのスキルでは、4年間の現役勤務に就く必要があります。
医療関係のスキルおよび言語・カルチャーのスキルとも、MAVNIプログラムでは、所定の任務期間を全うするのが条件ですが、市民権は初期訓練が終了し任務に就く時点で取得可能であり、任務終了を待たずに短期間で市民権取得の道が開けます。

[知っておきたい移民法]

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 また、移民法以外の分野、特に家族法、遺言・検認・遺言状執行、会社設立、その他民事訴訟にも精通する。カンザス州およびワシントン州弁護士会会員、 米国移民法弁護士協会会員。移民法関連のトピックにおいて、たびたびセミナーを開催。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118