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ビザ以外の国際企業家のための新滞在許可

8月31日に移民局を所轄する国土安全保障省は、“国際企業家ルール”という新しい米国滞在方法に関するルールを提案し、10月17日まで一般からの意見の募集を行っています。今回新設されるのは、”ビザ“の種類ではなく、”一時的入国許可“です。この国際企業家の一時的入国が許可されるかどうかは、審査によって決定されますが、一般的な条件は次のようになっています。

国際企業家

国際企業家として認定されるためには、過去3年以内に米国内で設立された会社(スタートアップ企業)の少なくとも15%の所有権を持ち、この会社の成長と成功に相当な貢献ができる知識・技術・経験を保持していることが必要です。

スタートアップ企業

国際企業家が所有権を持つスタートアップ企業は、過去3年以内に米国内で設立された会社であること、設立以来ビジネスを運営していること、急速な成長と雇用創造への相当な潜在力があること、および過去1年以内に下記の要件を満たす投資家から34万5千ドル以上の投資を受けたか、10万ドル以上の政府関係の補助金・助成金を受けた実績が必要です。また、この会社は、投資の手段ではなく、ビジネスを運営するために存在する必要があり、国際企業家やその家族のみが生活できる規模のビジネスであってはなりません。

投資家

ここでの投資家とは、米市民権保持者かグリーンカード保持者、もしくは米市民権保持者かグリーンカード保持者が過半数を所有し運営をコントロールしている、米国内で設立・運営されている組織であることが必要です。そして、投資家は、過去5年以内の3年間において、合計100万ドル以上の投資をスタートアップ企業に対して行った実績があり、そのうち投資を受けたスタートアップ企業2社が、それぞれ5件以上の雇用を創造したか、年間の平均成長率20%以上で50万ドルの収入を上げたことが実績として必要です。また、ここでの雇用の創造とは、週35時間以上のフルタイムの雇用で、少なくとも1年以上にわたり、米市民権保持者かグリーンカード保持者、その他米国での就労許可を持つ移民によって就労されているポジションであり、国際企業家やその家族、請負業者によって遂行されているものは含まれません。
最初の一時的入国許可は2年間有効であり、再申請では3年間までの一時的入国許可となります。再申請の場合の審査基準は、最初の審査の場合と異なり、一時入国していた2年間において、

  1. 少なくとも50万ドルの投資または政府関係の補助金・助成金を受けたこと
  2. 10件以上の雇用を創造したこと
    または
  3. 年間の平均成長率20%以上で50万ドル以上の収入を上げたこと

が必要ですが、国際企業家の会社所有比率は、10%以上と初回申請よりも下がります。

以上の指針は、最終的には一般からの意見の募集を経て変更される可能性もありますし、また急速な成長と雇用創造への相当な潜在力があることという条件に関しては、さまざまな証拠書類を検討するということもルールには付記されています。

[知っておきたい移民法]

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 また、移民法以外の分野、特に家族法、遺言・検認・遺言状執行、会社設立、その他民事訴訟にも精通する。カンザス州およびワシントン州弁護士会会員、 米国移民法弁護士協会会員。移民法関連のトピックにおいて、たびたびセミナーを開催。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118