Home アメリカ生活 知っておきたい身近な移民法 アメリカ国外滞在中にグリー...

アメリカ国外滞在中にグリーンカードを紛失 してしまった時に知っておくべきこと

グリーンカード保持者がアメリカ国外に一時的に滞在中に、グリーンカードを盗まれたり、紛失するというのはあり得ることです。
そのような場合には、「キャリア・ドキュメント」もしくは「ボーディング・フォイル」と呼ばれる、グリーンカードなしでアメリカに入国するために必要な旅行書類を得る必要があります。移民局は9月30日に、旅行書類申請のための申請書(I-131A)を新たに発表しました。この申請書が新設される前はグリーンカード更新に用いられるI-90申請書が利用されていましたが、今回申請書が新設されると同時に、申請書の適用範囲も広がりました。

I-131A申請書は、以下の場合に利用します。

(1)アメリカ国外滞在が1年未満で、グリーンカードを紛失した、盗まれた、もしくは毀損してしまった場合、もしくは、
(2)アメリカ国外滞在が2年未満で、再入国許可証を紛失した、盗まれた、もしくは毀損してしまった場合。

I-131A申請は、移民局へオンラインによる申請料金の支払いを済ませた後、米大使館・領事館で申請します。現在申請料金は360ドルですが、12月23日以降は575ドルとなります。支払いは移民局のウェブサイト(https://public-prod-elis2.uscis.dhs.gov/efile/app/app/travel/#!/)から可能です。在日米大使館・領事館では、インタビューの予約が必要となります。大使館のウェブサイト(http://japan2.usembassy.gov/e/visa/tvisa-form-niv-bfoil.html)から予約を入れることが可能です。
インタビュー時に一般的に必要となる書類は、I-131A申請書の他、アメリカを出国した日がわかる航空券の控え、帰国便の航空券、グリーンカード保持者であることの証明(グリーンカードのコピー、パスポートに押されたグリーンカード保持者としての入国スタンプなど)、過去12ヶ月(再入国許可証の場合は過去24ヶ月)以内にアメリカにいたことの証明、および盗難にあった場合は警察のレポート(紛失した場合は紛失した状況を詳しく説明すること)です。これらの証明とともに、I-131A申請書の申請費用支払いの証明、有効なパスポート、および30日以内に撮ったパスポート用の証明写真が必要です。在日米大使館・領事館での申請では、このインタビューとパスポート受け取りのため、実際は2回大使館・領事館に出向く必要があります。
旅行書類の有効期間は一般的に30日で、一回のみの入国申請が可能です。旅行書類は、グリーンカードもしくは再入国許可証なしにアメリカ入国を申請するために必要な書類であり、入国を保証するものではありません。入国審査官は、大使館・領事館とは別に、入国を許可する・しないを決定できる独自の権限が与えられています。また旅行書類は、アメリカ入国後にグリーンカードの代わりをするものではありませんので、入国後には速やかにグリーンカードの再発行の申請を行う必要があります。このために使用するI-90申請書の申請費用は現在指紋採取費込みで445ドルですが、12月23日以降は530ドルとなります。

[知っておきたい移民法]

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 また、移民法以外の分野、特に家族法、遺言・検認・遺言状執行、会社設立、その他民事訴訟にも精通する。カンザス州およびワシントン州弁護士会会員、 米国移民法弁護士協会会員。移民法関連のトピックにおいて、たびたびセミナーを開催。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118