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米女子サッカー、 W杯優勝で選手待遇改善できるか?

優勝を喜ぶアレックス・モーガン(左)、ホープ・ソロ(中)、ミーガン・ラピノー(右)
優勝を喜ぶアレックスモーガン左ホープソロ中ミーガンラピノー右

FIFA女子ワールドカップはアメリカが5-2でなでしこを破り、16年ぶり、史上3度目の優勝を果たしました。なでしこにとっては、試合開始からたった16分の間に4ゴールを奪われるまさかの展開となりましたが、最後まで戦い抜く姿勢はさすがでした。そのワールドカップで優勝したアメリカが手にした賞金は200万ドル。昨年男子優勝チームが手にした賞金の10分の1にも足らず、男女の賞金格差の是正を求める声が上がりました。

選手年俸にも大きな開き

アメリカ代表選手は、それぞれNational Women’s Soccer League(NWSL)の所属チームに戻って活躍しています。NWSLの今季最低年俸は6,842ドル。最高年俸が37,800ドル。他にも仕事を持っていなければ生活できないレベルで、薄給を理由に引退する若い選手も増えています。これでは将来サッカー選手になりたくても、断念する少女も出てきそうです。 同じNWSL所属でも、アメリカ代表選手は別扱いで、米サッカー連盟が「それなりの」年俸を肩代わりしています。しかし、人気の若手選手アレックス・モーガンでさえ昨季の年俸は7万ドル。サッカーで稼ぐ収入より、スポンサー契約で稼ぐ収入の方がはるかに多いと言われています。ドル換算で3万ドル程度しか受けられず、働きながら練習や試合に出ている選手さえいるという「なでしこ」と比べれば、恵まれた状況ですが、それでも年俸2,000万ドル近くを稼ぐ男子のトップ選手とは雲泥の差です。

女子の年俸を改善するには?

リーグの増収を伴わない年俸の吊り上げは、NWSLの存続を危うくさせるだけです。過去には前身の2リーグが経営破綻しています。米サッカー連盟がアメリカ代表選手の年俸を負担しているのは、今季で創設3年目のNWSLが将来的にビジネスとして成り立ち、選手育成リーグとして機能することを期待しているため。そうはいっても、代表以外の選手のNWSL離れが進めば、選手の質が低下し、本来の目的が果たせなくなります。 リーグの収入を増やすには、観客がスタジアムに足を運んだり、テレビで見たいと思うような「商品」を提供すること。ワールドカップで選手の知名度が上がった今が、絶好のチャンスです。2ゴールを決めたミーガン・ラピノーとゴールキーパーのホープ・ソロが所属するシアトル・レインは、決勝戦放映中に流したCMの効果も重なり、試合終了後の24時間で1日あたりのチケット売上記録を塗り替えたそうです。NWSLが存在しなかった2011年のワールドカップ後や、2012年のロンドン五輪後にはなかったチャンス。今回NWSLがそれをうまく生かすことができれば、女子サッカー選手の待遇改善につながるはずです。

[スポーツウォッチング]