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グーグルで働く社員

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グーグルで働く社員

「犬も歩けば棒に当たる」と言うが、シアトルにはハイテク関連で働く技術者が本当に多い。日本にいた頃は想像もしなかった。アマゾンやマイクロソフト発祥の街にふさわしく、非エンジニアを探すほうが難しいのでは。そんなシアトル・スタンダード(?)なソフトウェア・エンジニアである友人の職場を訪れる機会を得た。

彼は現在、グーグルに勤務している。グーグルと言えば、社員の「働く満足度」の高さで有名。1日3食無料の社員食堂、酸素バーなど施設がそろっている。私も同社のサービスにお世話になっている顧客のひとりとして、会社の実態に興味津々だった。

友人にフリーモント・オフィスを案内してもらった。自然光を取り入れた設計の建物は、仕切りの少ないフラットな空間。芝生の上にはブランコやハンモック。ところどころにさまざまなテーマのインテリア・コーナーがあり、そこで仕事をすることもできる。休憩スペースには、ビリヤード台や卓球台、テレビゲーム、防音の音楽ルーム、マッサージ・チェア、仮眠用のカプセルまである。ステレオタイプな「オフィス」とはまるで異なるのは噂通り。

ランチを目当てに社員食堂へ。フリーモント・オフィスは社屋ごとに異なるテーマの食堂があるのだ。私たちが訪れた大きな食堂には、日替わりのメイン料理からサラダバー、スープバー、自分で具材を選べる丼コーナー、フローズン・ヨーグルトなどのスイーツまで勢ぞろい。ベジタリアンや食事制限のある宗教に対応したメニューもあり、多種多様なバックグラウンドの社員を抱える多国籍企業ならではだ。

コーヒー・ステーションやカフェも充実。この日は地元シアトルのロースター、ビクトローラのコーヒーがあった。使用するコーヒー豆は、定期的に替わるそうだ。スナック・コーナーには、やはり地元のショコラティエ、セオ・チョコレートのものがあるなど、地産地消のアイデアが随所に見られた。

これが全て無料というから、太っ腹な会社だと誰もが思うだろう。「社員に食事を無料で提供することで、ランチで外出する移動時間と費用の節約になる。チームでランチ・ミーティングなんてこともよくある」と、友人は言う。「おいしい食事が食べられるし、不満はないね」

旅行好きの友人は、数カ月置きの旅行のたびに世界中のグーグル・オフィスで働いている。仕事をちゃんとこなせば出勤時間や勤務場所はフレキシブル。この制度を利用して、自宅勤務をしている子育て中の女性社員も多いとか。ライフ・ステージによる変化に影響を受けやすい女性も、制限されることなく勤務しているのは素晴らしい。

働くのが楽しいと、効率も上がる。会社はお金をかけてでも、効率よく質の高い仕事と時間コストの削減につながれば、損はない。実に賢く合理的、まさにアメリカを代表する一大企業である。

(トンカツ恋しい/シアトル)

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